阪竹行政書士事務所
相続

相続登記の義務化 ― 2024年4月から何が変わった?

公開 2026.09.17更新 2026.09.17 著者: 阪口智紀(行政書士)

「親名義のままの実家、そのままにしていて大丈夫?」――2024年4月から、不動産の相続登記の申請が義務化されたとされています 何がどう変わったのか、過去の相続はどう扱われるのか、期限に間に合いそうにないときの選択肢まで、ポイントを整理します

2024年4月から、相続登記は「義務」になった

従来、不動産を相続しても名義変更(相続登記)をするかどうかは事実上任意で、名義が亡くなった方のまま放置された「所有者不明土地」が社会問題になっていました これを背景に、2024年4月1日から相続登記の申請が義務化されたとされています

具体的には、相続の開始(亡くなったこと)を知り、かつ、その不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に、相続登記の申請をしなければならないとされています 遺産分割協議がまとまって不動産を取得した場合は、その遺産分割の成立日から3年以内に登記を申請する義務があるとされています

怠るとどうなる? ― 過料の対象となり得るとされる

正当な理由がないのに期限内に申請しなかった場合、10万円以下の過料の対象となり得るとされています(過料は刑罰ではなく行政上の制裁とされます) もっとも、いきなり過料が科されるのではなく、法務局からの催告などの手続きを経る運用とされており、相続人が極めて多数で資料収集に時間がかかる場合など、「正当な理由」があると認められるケースも示されています

過料の有無にかかわらず、登記を放置すると、その間に相続人が亡くなって関係者が増え(数次相続)、話し合い自体が難しくなっていくという実務上のリスクが大きい点にもご注意ください

過去の相続も対象 ― 経過措置

この義務は、2024年4月1日より前に発生した相続にも適用されるとされています(経過措置) この場合の期限は、「施行日(2024年4月1日)」か「相続による所有権の取得を知った日」のいずれか遅い日から3年以内とされています 「昔の相続だから関係ない」とは言えない仕組みになっている点が重要です 祖父母名義のまま残っている土地など、心当たりのある方は早めの確認をおすすめします

間に合わないときの選択肢 ― 相続人申告登記

遺産分割の話し合いがすぐにまとまらず、3年以内に相続登記まで進めない場合の簡易な選択肢として、相続人申告登記という制度が設けられたとされています 自分がその不動産の相続人であることを法務局に申し出るもので、この申出をすれば、相続登記の申請義務を履行したものとみなされるとされています

 相続登記(権利の登記)相続人申告登記
内容不動産の名義を相続人へ移す登記「自分は相続人です」と申し出る登記
前提遺産分割協議の成立等が前提になることが多い遺産分割がまとまっていなくても単独で申出できるとされる
効果所有者として名義が公示される申請義務を果たしたことになるとされるが、権利の取得までは公示されない
その後―遺産分割成立後、あらためて3年以内に相続登記が必要とされる

相続人申告登記はあくまで「ひとまず義務を果たす」ための制度であり、名義変更そのものの代わりにはならないとされている点に注意が必要です

登記申請の代理は司法書士の業務です ― 当事務所のサポート範囲

ここは大切な点ですので明確にお伝えします相続登記の申請を代理できるのは司法書士(および弁護士)であり、行政書士である当事務所は登記申請の代理を行いません

当事務所がお手伝いできるのは、その前提となる部分です 具体的には、相続人を確定するための戸籍収集、相続関係説明図の作成、そして登記の添付書類にもなる遺産分割協議書の作成などを承ります 登記の申請は司法書士へのご依頼となり、その費用は別途かかります お知り合いの司法書士がいらっしゃる場合は、ご希望により、当事務所が整えた書類をそのままお渡しできる形にします 「どこから手を付ければよいか分からない」という段階からのご相談で構いません

よくある質問(FAQ)

Q. 3年の期限はいつから数えますか?

A. 「相続の開始を知り、かつ、所有権を取得したことを知った日」から3年とされています 義務化前に発生した相続については、施行日(2024年4月1日)と知った日のいずれか遅い日から3年とされています 個別の起算点の判断に迷う場合は、司法書士等の専門家にご確認ください

Q. 住所が変わったときの登記も義務化されたと聞きました

A. 所有者の住所・氏名が変わった場合の変更登記についても、2026年4月から申請が義務化されたとされています 相続登記とあわせて、ご自身の名義の不動産の登記情報を一度確認しておくと安心です

Q. 費用はどのくらいかかりますか?

A. 登記には登録免許税等がかかるとされ、額は不動産の評価等により異なります 登記の申請は司法書士へのご依頼となり、司法書士の報酬と登録免許税は当事務所の報酬とは別途かかります 当事務所の報酬は、着手前にお見積もりをお出ししますので、まずはご相談ください

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