写真を使う・載せるときの基礎 ― 著作権と「肖像権」はどう違う?
写真を使う・載せるときに関わる「著作権(撮影者の権利)」と「肖像権(写った人の権利)」の違いを整理。SNS投稿や制作物での注意点を、断定を避けつつ、大阪・堺の行政書士がやさしく解説します。
写真には「2つの立場の権利」が関わることがある
写真をSNSに載せる、制作物に使う——このとき関わる権利は、実はひとつではありません。大きく分けて、次の2つを意識すると整理しやすくなります。
- 著作権:その写真を撮影した人に関わる権利(写真も著作物になり得ます)。
- 肖像権:その写真に写っている人に関わる、別の権利。
「他人が撮った写真を勝手に使う」問題と、「写っている人の了解なく使う」問題は、別の話として考える必要があります。この記事では、この違いを整理します。
※この記事は一般的な情報の整理です。実際の判断はケースによって変わり得ます。迷うときは、後述の窓口からご相談ください。
1. 写真の「著作権」=撮影した人の権利
写真は、撮り方(構図・光・タイミングなど)に撮影者の工夫が表れるため、著作物になり得ると整理されています。つまり、他人が撮った写真を、無断でそのまま使うことは、著作権の面で問題になり得ます。
- ネットで見つけた写真を、自分の投稿や制作物に転載する。
- 他人の写真を加工して使う。
——こうした使い方は、撮影者の権利に関わる場面があります。「ネットにあったから自由」ではない、という感覚は写真でも同じです(→「引用」と「無断転載」の違い)。
2. 「肖像権」=写っている人の権利(著作権とは別)
一方で、写真に人が写っている場合、その人の肖像権という、著作権とは別の権利が関わることがあります。肖像権は、ざっくり言うと、自分の顔や姿を勝手に撮られたり、公表されたりしないことに関わる権利だと説明されます。
- 撮影者の許可(著作権のクリア)が取れていても、写っている人の了解が別に必要になる場面があります。
- とくに、個人が特定できる形での公表や、商用での利用は、慎重に考えたいところです。
補足:有名人などの場合、経済的な価値の面に関わるパブリシティ権という考え方が語られることもあります。いずれも著作権とは別の枠組みで、個別性が高い分野です。
3. シーン別に気をつけたいこと
- 自分で撮った、人が写っていない写真:著作権は自分に、肖像権の問題も生じにくい。比較的使いやすい。
- 自分で撮った、人が写っている写真:著作権は自分でも、写った人の肖像権に配慮が必要な場面がある。
- 他人が撮った写真:撮影者の著作権の確認が必要。人が写っていれば肖像権も。
- イベント・街中の写真:写り込みの程度や状況によって考え方が変わり得ます。個別性が高い部分です。
4. 制作者として実務でできる備え
- できるだけ自分で撮る/規約の明確な素材を使う(→フリー素材の落とし穴)。
- 人が写る場合は、了解を得ておく:可能なら書面やメッセージで残す。
- 他人の写真は、権利を確認してから使う:無断転載を避ける。
- 迷う写真は使わない・別の素材にする:後戻りできないトラブルを避ける。
よくある質問(FAQ)
Q. ネットで見つけた写真を、自分の投稿に使ってもいいですか?
A. 他人が撮った写真は著作物になり得るため、無断での転載は著作権の面で問題になり得ます。使う場合は権利の確認が必要です。
Q. 自分で撮った写真なら、何でも自由に使えますか?
A. 撮影者としての著作権はありますが、人が写っている場合は、その人の肖像権に配慮が必要な場面があります。著作権とは別の権利です。
Q. お店や商品の写真は大丈夫ですか?
A. 状況によります。写り込みや、ロゴ・作品が含まれる場合など、別の権利が関わることもあります。迷う場合は確認をおすすめします。
Q. 肖像権のトラブルになりそうです。
A. まず事実を整理することが出発点です。紛争性のある対応は弁護士の領域です。判断に迷う段階でのご相談は歓迎です。
この記事は一般的な情報です
本記事は写真の著作権・肖像権に関する一般的な情報提供であり、判断はケースによって異なります。肖像権・パブリシティ権は著作権とは別の枠組みで、個別性が高い分野です。具体的な紛争・交渉・裁判は弁護士の領域です。判断に迷うときは、具体的な状況にそって確認することをおすすめします。