阪竹行政書士事務所
許認可

古物商許可とは ― 中古品ビジネスを始める前に

公開 2026.09.30更新 2026.09.30 著者: 阪口智紀(行政書士)

中古品を仕入れて売る・レンタルするといったビジネスを始めるとき、多くの場合に必要になるとされているのが古物商許可です 一方で、フリマアプリで自分の不用品を売るだけなら原則不要とされています この「どこからが許可の要る営業なのか」という線引きを、開業前に押さえておきたいポイントとして整理します

古物商許可とは ― 「古物営業法」が定める許可制度

古物商許可は、古物営業法という法律に基づく許可制度です 一度使用された物品や、使用のために取引された物品(いわゆる中古品)は、法律上「古物」と呼ばれます この古物を売買する・交換する・委託を受けて売買や交換をするといった行為を営業として行う場合には、古物商の許可が必要とされています

なぜ許可制になっているのかというと、中古品の流通経路には盗品が紛れ込むおそれがあるため、取引の相手方の確認や帳簿の記録などを通じて、盗品の流通防止と早期発見を図るという趣旨があるとされています 単なる営業規制ではなく、防犯目的の制度という点が特徴です

また、古物は法令上13の品目区分(美術品類、衣類、時計・宝飾品類、自動車、道具類など)に分けられており、申請の際には主として取り扱う品目を選んで申請する仕組みになっています

許可が必要とされる典型的なビジネス

「中古品を扱うつもりはあるけれど、自分の場合は許可が要るのだろうか」と迷う方は少なくありません 一般に、次のような事業は許可が必要とされる典型例に挙げられます

ポイントは、「利益を得る目的で古物を仕入れる(買い受ける)行為があるかどうか」だとされています 店舗の有無は関係なく、インターネット上だけで完結する販売でも、仕入れて売る形であれば許可の対象になると整理されています

「自分の不用品を売るだけ」なら原則不要とされる線引き

一方で、メルカリやヤフオク等で自分が使っていた物・自分用に買った物を手放すために売るのは、一般に「営業」には当たらず、古物商許可は原則不要とされています おおまかな線引きのイメージを表にすると、次のようになります

行為のイメージ許可の要否(一般的な整理)
自分の不用品をフリマアプリで売る原則不要とされる(営業に当たらないため)
転売目的で中古品を仕入れて売る(せどり等)必要とされる
中古品を買い取って店頭・ネットで売る必要とされる
中古品を仕入れてレンタルする必要とされる
新品を問屋等から仕入れて売る古物に当たらなければ対象外とされる

注意したいのは、「不用品売却のつもり」でも、反復継続して転売目的の仕入れを行っていれば営業と評価されうるとされている点です 要否の判断は取引の実態によるため、境界線上のケースでは管轄の警察署や専門家に確認しておくと安心です

申請窓口は「営業所所在地の公安委員会」(警察署経由)

古物商許可の許可権者は、営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会とされています 実際の申請窓口は、営業所の所在地を管轄する警察署(防犯・生活安全担当の窓口)となるのが一般的です

申請にあたっては、申請書のほか、略歴書・誓約書・住民票の写し・身分証明書(本籍地の市区町村が発行するもの)などの添付書類が求められるとされています 法人で申請する場合は、役員全員分の書類や定款・登記事項証明書等も必要になるとされています 申請には所定の手数料がかかりますが、手数料は自治体・区分により異なりますので、管轄窓口の公式情報をご確認ください

また、許可を受けた後も、営業所への標識(プレート)の掲示、取引記録の帳簿への記載、ホームページ等で取引を行う場合のURLの届出など、継続的に守るべきルールが定められているとされています 許可を「取って終わり」ではない点も、開業前に知っておきたいところです

始める前に確認しておきたいポイント

中古品ビジネスの開業準備では、次の5点をまず確認しておくとスムーズだと考えられます

  1. 自分の事業計画に「古物の仕入れ(買い受け)」が含まれるか
  2. 営業所(自宅を営業所とする場合を含む)をどこに置くか
  3. 主として取り扱う品目区分はどれか
  4. 欠格事由(一定の前歴等がある場合に許可を受けられないとされる事由)に該当しないか
  5. ネット販売を行う場合のURL届出の要否

特に営業所の扱いは、賃貸物件の場合に使用承諾の確認が必要になることがあるなど、つまずきやすいポイントとされています 迷う点があれば、申請前の段階でご相談いただくのが確実です

よくある質問(FAQ)

Q. メルカリで自分の持ち物を売るのにも許可が必要ですか?

A. 自分が使用していた物や自分用に購入した物を売却するだけであれば、一般に「営業」には当たらず、古物商許可は原則不要とされています ただし、転売目的で仕入れた物を繰り返し販売している場合は営業と評価されうるとされており、実態によって判断が分かれます

Q. 副業の小規模なせどりでも許可は必要ですか?

A. 規模の大小や本業・副業の別ではなく、「転売して利益を得る目的で古物を仕入れているか」が判断の軸になると整理されています 小規模な副業であっても、仕入れて売る形を反復継続するのであれば許可が必要とされるのが一般的な理解です

Q. 無許可で古物営業をするとどうなりますか?

A. 無許可営業には古物営業法上の罰則が定められているとされています また、一度違反があると、その後一定期間許可を受けられなくなる欠格事由に該当しうるとされており、事業の継続に大きく影響します 「知らなかった」で済ませず、開業前の確認をおすすめします

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